お知らせ

【生産者・流通者インタビューVol.1】沖縄県産のきのこを多くの人に届けたい

スーパーや小売店で、沖縄県産のきのこが買えるのは今や当たり前のこと。でも、数年前まで、売り場に並ぶきのこのほとんどは県外産でした。こんなにも県産きのこが流通するようになった陰には、「県産の新鮮なきのこが食べたい」という声に応えるべく、沖縄での生産工場を増やし、流通を充実させようと奮闘した企業があったから。その一翼を担った、株式会社オーダックにお話をうかがいました。

 

(取材に対応いただいた(株)オーダック 営業部 伊藝さん)

 

現在、県内で流通している沖縄県産きのこの中で、生産量が多いのはエノキタケとブナシメジ。県産きのこの生産量の推移を見てみると、2000年は66.7トンだったのが2019年には1,399.7トンと、その伸び率はなんと約20倍。大規模なきのこの生産工場が整備されたことにより、生産量がぐっと伸びたのです。

(株)オーダックが設立したのは2004年ですが、関連会社である、エノキタケを栽培する「今帰仁きのこ園」が生産し始めたのは2000年。また、ブナシメジを栽培する「国頭きのこ園」も2007年に生産を開始しています。

県産きのこがあまり流通していなかった当時は、県外から出荷されてから沖縄に届くまでの日数がかかったり、台風の時には入荷が遅れるなどの課題がありました。そこで、「新鮮なきのこを、安定的に市場に出回るようにしたい」と、オーダックの親会社である株式会社FTH(旧株式会社フードテクノホールディングス鹿児島営業所)が役場とタッグを組み、市場の聞き取り調査をはじめ、工場設立、製品品評会の実施、そして販路開拓の営業を行い、県産きのこを精力的に広める活動をしました。

こうした取り組みにより、沖縄での生産量は徐々に増え、またそれと同時に流通ルートも増えていったことにより、スーパーでの販売をはじめ、ホテルや飲食店、学校給食でも県産きのこが使われるようになったのです。

努力のかいもあって、県産きのこは今では食卓の常連に。たくさん食べられている県産きのこの一つである「エノキタケ」がどのように作られているのか、オーダックの関連会社「今帰仁きのこ園」にお邪魔して見せてもらいました。

 

エノキタケの栽培は、エノキタケが育つ土壌となる「培地」作りから始まります。トウモロコシの芯を粉砕したものや、米ぬかなどを混ぜた培地を栽培用のビンに入れて適切な殺菌をしたら、種菌を植え付けます。それから菌が増殖するように温度と湿度が保たれた培養室へ移し、ビンいっぱいに種菌が増殖したら、成長過程に応じて湿度と温度を調整していきます。仕込み工程からおよそ35日目には少しずつ芽を出し始め、その後徐々に湿度と温度を下げていくとのこと。ビンの口あたりまで成長したら、まっすぐ育つようにビンの口に専用の紙を巻きつけ、仕込み工程からおよそ55日で収穫です。

収穫後は出荷先ごとに決められた重さに分けて包装され、ここでオーダックにバトンが渡されます。約50社の出荷先へオーダックが間違いなく、大切に運びます。

「イベントできのこ料理を試食してもらうことがあるのですが、お客様から『これよく買っているよ』とか『あえて県産のものを選んでいる』という話を聞くと、徐々に認知度が高くなっているなと思います」と伊藝さん。

より多くの人に沖縄県産のきのこのおいしさを知って欲しいと、SNSを使ってレシピを紹介したり、県内外でイベントを行ったり、工場見学や収穫体験など、様々な取り組みを行っているとのこと。新鮮でシャキシャキとした歯ごたえが良く、香りのいい沖縄県産きのこ。これからのさらなる広がりが楽しみです。

 

~今回の取材協力先~
■株式会社オーダック
〒904-1201 沖縄県国頭郡金武町字金武9006番地
公式ホームページはこちらから

 

 

ページ上部へ戻る